LotR物語Y


「さあ、ここからが本番じゃ!!」
ガンダルフはいっそう気合を入れました。
「次の目的地は?」フロドが問うと…。
「次はびょんびょんの橋じゃ……。」
ガンダルフは顔をいっきにニヤッとさせて、びょんびょんの橋について語り始めました。
「びょんびょんの橋とはな…邪心を持つ者が渡ると、たちまち橋自体がびょんびょんと
上下左右に揺れる橋なのじゃ……まあわしら一行がサウロンの追手どもから逃げ切るには、
ここを通るのが一番vvvということじゃ!!」
ガンダルフが握りコブシを作りながら言いました。

「では早速渡り始めようじゃないか。」
勇敢なドワーフの戦士ギムリが言いました。
「そうじゃな。最初にギムリが行くとイイ。」
ガンダルフの合図でギムリは橋を簡単に渡ってしまいました。
「おお〜〜〜〜さすがギムリ!!」あちこちから称賛の声が上がりました。
「では、次は……サム、お前が行け!!」
ガンダルフがそう言うと、サムは「お、おらですだか!?(汗)」と、
少しビビりながらも、これもまた易々と渡ってしまいました。
「さっすがサムvv」フロドが橋の向こうにハートを飛ばしました。
そして次にメリー、ピピン、ガンダルフがスイスイと渡って行きました。
「早くフロドの旦那も来るですだ〜!!」橋の向こうでサムが呼んでいます。
「サムワイズ君、悪いけど先に私が渡らせてもらうよ!」レゴラスが返事しました。
そしてレゴラスが渡り始めた瞬間…その橋はセメントで固めたようにカチンカチンになりました。
「さすがですだエルフの旦那!!」
(ムムッ、サムの奴、また浮気してっ!!………負けてられない!!)
フロドはそう思い、勇気を出して渡り始めました。
(これを無事に渡ったら、サムは何て言うかなあ…"さすがおらの旦那ですだvv"……とか!?
わ〜〜〜どうしよう〜グフ、グフフフ〜〜〜vv)
渡りながらそんなことを考えていると。

…………びよんびよんびよん!!!!

橋が揺れ始めました。
「フロドォ〜!!邪心は捨てるんじゃ〜〜!!!!」ガンダルフは叫びました。
それでも橋はますますゴムのように揺れるばかりです。
何故揺れが止まらないかというと、フロドの心の中では、
(うわああ〜〜〜!!!!何故か揺れだしたよお〜〜!!!!
これじゃレゴラスに勝てないっ!!サム〜〜、僕を見捨てないでくれぇぇぇー!
僕が一番(好きvv)だと言ってくれぅえぇぇぇぇ!!!!)
などと考えていたからである。
「旦那〜!!頑張るですだぁ〜!!!」
サムが叫んだ瞬間、橋は元通りになり、フロドは渡ることができたのです。
「サムゥ〜(泣)」フロドはサム泣きつきました。
「旦那、きっと指輪の力が作用したんですだよ。よく頑張りましただ(^0^)」
サムが事実を知らずにノンキにフロドを褒めました。
だが欲望に忠実なホビット・フロドは、
「サム〜、怖かったよぅ〜〜vv」とか口で言いながら、ちゃっかりサムの胸にくっついていました。
「さあ次が問題の人間組じゃ…」ガンダルフは小さな声で呟きました。
「まず私から渡ろう。」
人間の中ではまだマシそうなアラゴルンが渡り始めました。
橋は吊り橋くらいには揺れましたが、無事渡りきることができました。
「おお!!さすが王だ**よし、次は俺だな!!」
と言ってボロミアは橋を渡り始めました。
しかしその時、彼の視界にフロドの持つ例の指輪が入りました。
(お。おおおお俺の指輪ぁ〜〜〜〜〜!!!!!)
ボロミアは指輪の魔力に惑わされ始めました。
と、その途端、その気持ちを見破ったかのように橋が激しく揺れだしたのです。
"びよんびよんびよよ〜ん"橋は今までに見せたことがないくらい激しく野性的に揺れていました。
『俺の指輪を返せ〜〜〜!!!この裏切り者ぉ〜〜〜!!!』
鬼の形相をしたボロミアが落ちそうになりながらでも叫んでいます。
「た、大変じゃっ!!ボロミアが暴走しおった!!」ガンダルフが叫びました。
「どっ、どうすればイイんですだか!?」サムが必死になって言いました。
「まずフロド!お前がそのわざとらしく出している指輪を隠さなくてはいけない!!」
ガンダルフはフロドの方を向いて言いました。
フロドはチッばれたかと言わんばかりに指輪を服の中に隠しました。
「う……てんうう?お、俺は一体……?」
ボロミアはどうやら覚醒したようです。
それに合わせ橋は揺れるのを止め、ボロミアは無事渡り終えることができました。
ガンダルフはすぐにボロミアのもとに駆け寄り無事かどうかを念入りに、むしろしつこく調べました。
(ガンダルフの頭の中→)『人間は超がつくほど野心家で腹黒い種族じゃからなぁ』
結果、汗を大量にかいていた以外は、特にボロミアには変化は見られませんでした。

「さて、やっと皆渡り終わったわい。」
「次はどこにいくんですか?ガンダルフ」フロドが尋ねました。
「次の目的地は無重力の地下道じゃ…。」
ガンダルフは今までに見せた事のないような顔で皆にその地下道の話をし始めました。
「ワシは一度だけそこに行ったことがあるんじゃが……」
ガンダルフはそう言ったきり、黙り込んでしまいました。
しびれを切らしたアラゴルンが、「それで、どうしたんです!?」と尋ねると、
ガンダルフはしぶしぶ、といった表情で詳しく話し始めました。
「あの洞窟はなぁ……。その名のとおり洞窟内だけが無重力なんじゃ。
入った途端体がふわっと浮いて、オ○ラをしようもんならビュー=3と飛んでいってしまうんじゃ…。」
「まるで実際自分で経験したような言い方ですね、ガンダルフ(プッ)」
フロドがそうツッこむと、
ガンダルフは「いや、経験したのはビルボじゃ。」と否定しました。
一同の頭に、ビルボがオ○ラをして飛んでいる姿が鮮明に浮かび上がりました。

そしてガンダルフが話し始めてから1時間が経とうとしていました。
「というわけじゃ…今からその地下道に向かうぞ。」……。
「そこまでどれくらいかかるんですか?」フロドが尋ねました。
「たぶんここから南に向かって徒歩10分ぐらいの所じゃったと思う」
それを聞いたアラゴルンは、ほおお、という顔をして、
「わりと近いんですね。じゃあ早速行ってみましょう!」と先を即しました。
そして一行が歩くこと10分……
にしては結構長い距離(時間にすると一時間くらい)でしたが、無事に到着しました。
それからその地下道に入る為の約束(決まり事)をガンダルフが話し始めました。
「これはビルボの二の舞にならないための約束事じゃ。まず、オ○ラはするでない!!
したくなったら体内消滅させるのじゃ!!一コキで地下道一周してくるはめになるぞい!!
次に、用をたすのも禁止じゃ!!何故なら、その放出したモノがそこら中に漂って、
不快極まりない状態になるからじゃ!!(ブルルッ!)」
全員が地下道の怖さを理解したところで、ガンダルフを先頭に
アラゴルン→フロド→ギムリ→メリ→ボロミア→サム→レゴラスの順で入っていく事になりました。
さすが無重力なだけあって地下道の中に入ると、一同の歩き方はフワフワしたものになりました。

フワフワと30mほど歩いたころでしょうか。突然……
ピピンが「これって泳いだ方が速いんじゃない?」と言って泳ぎ始めました。
それを見てホビッツはみんなで真似をしました。
「珍しく頭がさえてるなあ、ピピン!!」メリーがスイスイと平泳ぎをしながら言いました。」
ピピンがどんなもんだい!!というふうに胸を張っているところに、サムがぶつかってきました。
どうやら水が怖い彼は、無重力の場所でも上手く泳げないようです。
「サムったら怖いんだったら早く僕に言わなくちゃvv」フロドはそう言うと、サッと手をさしのべました。
「うっ、ううっ、旦那ああ〜〜〜〜(ToT)」
サムはフロドの元に行こうともがきました。
その際、またピピンにぶつかって行きました。
一方、ホビッツ以外の者たちは……。
人間はそのままフワフワ歩き続け、ギムリはブワンブワンと無重力ながら走り、
魔法使いはスーッとまるでサイボーグのように等速直線運動で動き、
エルフはふわんふわんと軽くジャンプしながら走っていました。
そうして何分、いや何時間経ったことでしょう。一同の視界に一筋の光が差し込みました。
「あ!外だ!!」ピピンが叫びました。
その瞬間、気が緩んだのか、ピピンが『プー♪』とやってしまいました。
ピピンは「(´D`;)」という顔を残して一瞬でその場から消え去りました。
「ピピ〜〜ン!!」
ピピンはどうやら出口の方へ勢い良く飛んで行ったようです。
一同は必死に彼を追って走りました。
「まったくピピンめ、もう少し我慢しろー!!」メリーが叫びました。
一行が急いで出口付近に向かうと、ピピンは服がどうにか岩の出っ張りに引っ掛かっているようでした。
「助けてぇ〜〜〜〜(×0×)゜。」ピピンはもがきながら叫んでいました。
アラゴルンに言われてボロミアが助けると、一同きってのトラブルメーカー・ピピンは、
「ごめんなさぁい(´x`;)」と言って皆に謝りました。
それから、アラゴルンはボロミアにピピンを見張るように命令しました。




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