LotR物語W このサムがお腹をおさえ、情けない声を出して言いました。 「仕方ないのぅ」と言って、ガンダルフは岩場に腰をおろしました。 「今日のディナーは何じゃ。サムワイズ君?」 するとサムは慌てて「はっ、はいですだ!!」と、言いました。 「さっきサルマンの砦で赤ワインと兎を見つけたので、『兎肉ときのこの赤ワイン炒め』を作ってみますだ!!」 「ほう…それはおいしそうだね。」レゴラスが言いました。 「でもエルフの私は動物の肉は食べたくないから、キノコとレンバスをいただくよ」 そして一行は食事を済ませ、その場にゴロッと寝転がりました。 時間はゆるやかに流れました。やがて… 「ん……あ!もう日が暮れかけてる!!皆起きろ!!かなり眠りこけていたようだぞ!!」 アラゴルンが一早く目覚め、皆に呼びかけました。 「もうこのまま寝てようzzz」ガンダルフはかわいく、やる気なさげに言いました。 「はっ!?何言ってるんですかミスランディア!!」アラゴルンはビックリして、ついツッコんでしまいました。 メリピピもガンダルフに賛成でしたが、アラゴルンがあまりに恐ろしい形相で睨みつけるので、仕方なく立ち上がりました。 それを見て、ガンダルフもしぶしぶ身支度をし始めました。 ボロミアは盾を磨いています。 レゴラスはギムリの三つ編みを結びなおしていました。 「ギムリ…。君は少し水浴びをした方が良さそうだね。」 レゴラスはギムリの汚さに負け、口に出してしまいました。 「がーん!!」ギムリは目に見えてショックを受けたようでした。 「でも君だけじゃないよ。全員臭くてたまならない!」レゴラスが鼻を覆って言いました。 「さあ 今から皆で水浴びに行くよ!!」 レゴラスはギムリの髭とホビットの耳を引っ張って川の方に歩いて行ってしまいました。 「何だ!?エルフってのは、たかがこれくらいの汚さで、いちいち洗うのか!?」 アラゴルンはビックリしたように言いました。 「そういう貴方が一番汚いですよ!!早く貴方もいらっしゃい(`0´)」 レゴラスはアラゴルンに向かって叫びました。 「何ぃ!?俺は野伏だからこれでいいんだ!!」アラゴルンは怒って言いました。 そう言った瞬間にはもうアラゴルンの体は水の中でした。 「何っすっる゛んだあっ ゴフッ゜。(×0×)。゜」アラゴルンは叫んでいるようです。 そして一行は水浴びを始めました。 「さあ皆!!一緒に綺麗になろう!!」レゴラスはハリキッて皆を水に叩き込みました。 ボロミアはアラゴルンにブチ当たりました。 ボロミアの頭がアラゴルンの鼻に当たり、アラゴルンは鼻血を流しながら、まだ文句を言っています。 「皆ついでに臭い服も洗うんだよ〜〜〜!!」レゴラスはまるで老人ホームの老人達に言うように言いました。 「余計なお世話だっ!!(怒)」アラゴルンはまだ悪態をつきましたが、 頭をレゴラスにぐしゃぐしゃやられて、強制的に身体中を洗わされました。 ホビット達は楽しそうに水のかけ合いをしています。 「さあ皆ピカピカになったかな〜?」レゴラスは問いました。レゴラス自身も黄金のように光り輝いていました。 「シャンプーがなかったのが辛いところだけど…まあ、皆前よりは随分マシだよ(^0^)」レゴラスが笑いながら言いました。 サムはエヘヘーとなっていました。 「さあ、出発するぞぃ!!」 「あれ?ガンダルフ、その髪飾りどうしたんですか?」ボロミアが銀細工の髪飾りに気付いて尋ねました。 「んん?これはな、サルマンが…いや、なんでもないわいっ!」 「あ〜〜〜、プレゼントだぁ(^0^)」ピピンがヒヤカシました。 「ペリグリン・トゥック!!人には秘密があるもんじゃ!!」 ガンダルフが急に怒ったので、ピピンはさらに小さくなってしまいました。 「ゴメンナサーイ↓」ピピンは何かの真似のように言いました。 「お前は罰として『なんか嫌〜な気分になる洞窟』に一番に入るんじゃ!!」ガンダルフはピピンに命令しました。 「ええ〜〜〜〜!?(×0×)そんなあっ!!せめてメリーも一緒にしてくださいヨ〜〜〜(泣)」 「おいっ、ちょっと待て(怒)」ピピンの言葉にメリーがツッコミを入れました。 そして一行が歩くこと5時間、ついに例に洞窟に到着しました。 がっ、どうも呪文が必要のようです。 「呪文…?はて何じゃったかな〜?」ガンダルフは頭を悩ませて言いました。 「覚えてないんですか!?ガンダルフッ!!」アラゴルンが青くなって言いました。 ガンダルフは「ん〜〜〜む、お!そうじゃ!!『スワコチブャキナデ・ケラヒヨラビト』!!」 ゴゴゴゴゴ〜〜〜!!!! 「あっ、開いた!!」フロドが叫びました。 そして約束通りメリピピが先に洞窟に放り込まれました。 そして様子を見ること1分…。 二人が出てきました。 「もう、メリーなんか大ッ嫌い!!!」 「こっちこそ!!(`0´)」二人は何故か言い合っていました。 「どうしたんだい?二人とも」レゴラスがそう尋ねると… 「こいつったら僕の足を踏んだんだ!!」ピピンはすごく怒っていました。 さらにケンカになり、今度は殴り合いを始めました。 「こぉらぁ〜〜〜!!やめんか〜〜〜〜!!」アラゴルンは怒りました。 「もうお前らいいっ!!最後尾につけっ!!今度は全員で行くぞ!!」アラゴルンが一喝しました。 洞窟に入った瞬間、 「もうやめよう、こんな旅…」アラゴルンはボソッと口から漏らしました。 そのアラゴルンの顔は…。 人生に疲れきったドラッグ患者のように、青ざめてやつれていました。 (入ってたった1分やそこらで――――!?) 一同は、その信じられないアラゴルンの突然の変貌に思わず一歩ヒきました。 「もうゴンドールに帰りたい……アラゴルンはまだこんな事を言っています。 「ゴンドールだと!?何言ってんだ!!」ボロミアは怒り始めました。 「だいたい貴方はだなぁ……っ」 ボロミアが何かわめきだしたのを見て、 今度はフロドが「何を言ってるのです、ボロミア殿っ!!!」と、突然キレだしました。 フロドが怒っている後ろではエルフvsドワーフの戦いが繰り広げられていました。 「だから私はドワーフなんか嫌いなんですよ!!」レゴラスは叫んでいます。 「何を言う!!私こそエルフなんか!!!!」こういうふうに二人は言い合っています。 「コラ――――!!!洞窟の力に惑わされてはイカ〜〜〜〜ン!!」 とうとうガンダルフの堪忍袋の尾がキレました。 しかし、洞窟の悪魔的な力に惑わされている一同にはききません。 「うるさいっ!!このエセ魔法使いめ!!」アラゴルンがとうとう叫んでしまいました。 ガンダルフは何を言われようと我慢しようと決意しましたが、 「この死にぞこないのジイさんめ!!」メンバーはボロくそに言います。 「老いぼれジジイ!!」(むう……我慢じゃ我慢(`´;)) 「白と黒の混合色のくせに!!どっちかハッキリしろってんだ!!」(ぐっ……が、我慢……) 「魔法使えるなら、さっさと指輪捨てに飛んでけよ!!魔法でっ!!!」 プチ。(←キレた音)…………………(☆_☆怒) ガンダルフはついに怒り爆発しましたが、さすがは灰色の老旦那、大声は出さずに、 どこからかあの例の黄金色のドレスをとりだし、着始めました。 そして何も言わず争っている皆の前に出てきたのです。 黄金色のドレスの効果は凄まじいモノでした。 一同はまるで呪縛の魔法にでもかかったかのように、微動だにできません。 「いつまで言い争っておる!!ほれ、行くぞい!!」ガンダルフが言いました。 尊敬すべきガンダルフのこの情けない恰好を再びみたメンバーは衝撃のあまり正気に戻り、 もとの姿に戻ったガンダルフと洞窟の奥に進んで行きました。 この恐ろしい洞窟に副作用があることも知らずに……。 何も知らず洞窟を出た一同。 ……しかし…… 「ピ、ピピン!!髪の毛がっっ!!」メリーにそう叫ばれて、ピピンが恐る恐る頭を触ってみると… 「は、禿げてる!!!!!」ピピンは失神してしまいました。 「こ、これは洞窟の呪いじゃ!!」ガンダルフが叫びました。 「のっ、呪い!?」皆はいっせいにガンダルフの方を見ました。すると、皆の髪の毛もパラパラと抜け始めました。 「かっ、かっ、髪がぁ〜〜〜〜〜!!!!!」そう言いながらレゴラスは、エルフの命の髪がハゲあがっていく前に、 その頭をフードですっぽりと覆ってしまいました。 「どっ、どうすればいいんですか、ガンダルフ!?このままでは私の美しい髪が!!」 レゴラスが動揺しまくりながら言いました。 「ワシもこんな事は始めてじゃから、確かな事助言はできん……が、呪いを無効にする泉がこのあたりにある… と、聞いたことがある。それに賭けるしかないようじゃ」 一同は、何てタイミングの良い話なんだろうと思いながらも、その泉に行くことにしました。 そしてその泉は歩く事20歩(ちなみにエルフの歩幅で)のところにありました。 ガンダルフが「ここがその幻の泉…。その名も<元に戻る泉>じゃ。」と説明しました。 それを聞いた一同は言う言葉もありませんでした。 「…ところでガンダルフ、呪いを消すにはこの泉の水を飲めばいいんですか?それともつかればいいんですか?」 フロドが素朴な疑問を口にした途端、 「……そんな事までワシは知らんっ(怒`0´怒)各自好きにするが良かろう!!」ガンダルフはいきなり怒りだしました。 「ガンダルフはどうして怒ってるんだ?」ピピンがこっそりメリーに話しかけると、メリーは深刻そうな顔をして 「やはり老人が一番禿げに敏感らしいよ。」と、呟きました。 そして一行は各自色々な方法でその泉の水に触れました。 フロド達ホビットはその泉で泳ぎ、ギムリはその水で顔を洗い、人間達はその水を頭からかぶりました。 そして問題のレゴラスとガンダルフは二人でゴシゴシ頭を(←もちろん禿げ頭を)洗いました。 すると、どうしたことでしょう。禿げ上がっていた頭に、みるみるうちに髪がはえてきたではありませんか!! 「やった―――!!これで元通りだあっvv」一同は万歳三唱しました。