LotR物語W


「レゴラス…。お前って奴は……ポッvv」と言って、ボロミアはドレスを着たまま倒れてしまいました。
「あ〜あ、ボロミアさん倒れちゃった…それにしても…馳夫さん…」
ピピンの視線の先には、ピンクのドレスを身にまとった「王・アラゴルン」が……
「み、見るな!!見ないでくれー!!」アラゴルンは恥ずかしそうに胸の辺りを両手で隠しました。
「いや、見たくないし。」メリーが冷たくツッコミました。

全員の会議の結果により、登場順は、
ギムリ、サム、アラゴルン、ボロミア、メリー、ピピン、フロド、レゴラスという風になりました。
(何で私がトリじゃないん 怒 )と、フロドは不満タラタラでした。
実際、彼は薄紫のヒラヒラドレスがとてもよく似合い、そのウェーブがかった髪には同色のリボンがついていて、
可憐な姫君そのものだったのですが、その彼でさえレゴラスの美しさにはかなわなかったのです。
レゴラスはというと、エルフによく似合う深緑の高貴なカンジのドレスに髪は自分で結ったのかアップにしていました。
その端麗なエルフの姿にノックダウンされたボロミアはワインレッドのマーメイドラインドレスに、
髪には真紅の薔薇を挿していました。しかしどちらかというと、姫君というよりオカマっぽかったので、
いまいち皆に不評でした。
ちなみに、ピピンは薄い水色のレース調のフワフワしたドレスに髪はひっつめて結っていました。
メリーは黄色のシンプルだが背中がバッと開いたドレスでした。
そして問題のギムリは……
純白の総レース仕立ての、それは何とウェディングドレスだったのです。しかもベール、ブーケ付き!!
いつも三つ編みにしている髪と髭はほどかれ、かるくウェーブがかかっていて、胸元からはむ○毛が……
「ギムリ……見ていられないよ……」レゴラスが言いました。
「サムお前はすごく似合ってるよvv僕はお前が一番かわいいと思うvv」フロドは自己中意見をしました。
そんなサムは…。
黒のミステリアスなスケスケドレスでした。
背中は編み上げがあるものの大胆に開いていて、下は横に大きいスリットが入ったロングスカートでした。
ドレス自体は悩殺ものでしたが、実際、悩殺されたのはフロドだけでした。

「ではみんな!!出陣するぞ!!」ピンクのドレスを着たアラゴルンが言いました。
そしてついに女装軍団と化した一行はサルマンの砦に到着しました。
「では、作戦を決行する!!まずギムリ!!」
「よし!!俺が一発でサルマンをメロリンキューにしてやる!!!」
王の合図でギムリはバッと敵の前に飛び出しました。
そして数分後……。彼は何人かの物好きなオークをひき連れて帰ってきました。
(物好きなオークもいたもんだ…)一人を除いた全員がそう思いました。
ただ、その一人は(キミってやっぱり魅力的だよ、ギムリ……)と、目を輝かせています。
そして、「次はサム、お前だ!!」と、アラゴルンから声がかかりました。
「はっはいですだ!!」
サムは黒のピンヒールがとても歩きにくそうでした。
「頑張れサム〜〜vvv」
ヨタヨタしたサムをただひたすらかわいいと思っているフロドが応援しました。
「旦那…vv」サムは感動しました。
「オ、オラ頑張りますだ!!いっぱい誘惑してきますだ!!」サムはハリキって飛び出していきました。
その際、ひらりとめくれたスリットから覗いた生足が妙に一同の記憶に残りました。
『ああ〜〜なんてセクスィーな足なんだvv』フロドはnot密かに思いました。
そしてまた×A数分後にサムがギムリより多くのオークを連れて帰ってきました。
「旦那!!オラやりましただ!!」
「うん、よくやった!!さすが私のサムだvv」
「いや〜んですだvv旦那ったら皆の前で☆」
もはや二人の世界は蜂蜜より甘い物と化していました。
「さっさあ次は俺だ。」気持ち悪いピンクのドレスのアラゴルンが言いました。
『王の意地で絶対たくさんのオークを誘惑してやる!!』彼は一人で勝手にそう決心していました。
ところが…よっぽど彼がキモかったのか、それともオークがよほど悪趣味だったのか、
王になびいたオークはギムリよりも少なかったのです。
「ふんがあぁぁぁ〜〜!!」アラゴルンはよほどのショックだったようです。
「次は俺が…」ボロミアはいさぎよく進んでいきました。
皆が固唾を呑んで彼の帰りを待っていると、やがて遠くの方にワインレッドのドレスが見え、
その後ろには約20匹のオークが目をハートにしてついてきました。
「ボロミアって意外な才能あったんだ!アラゴルンより役に立ってるみたいだね。」
レゴラスはつい言ってしまいました。
「(怒)…次はメリーお前だ。ピピンも一緒に行け!!」鬼のアラゴルンが言いました。
そして二人は霧の中に消えて行きました。
「彼らはそれぞれアラゴルンより連れてくると、私は思うね。」レゴラスが自信満々に言いました。
王の額に青筋が浮かびました。
レゴラスはどうやらアラゴルンをからかうのが楽しいようです。

「ぎゃあ〜〜!!いっぱい集まってきたあ!!(;◇;)」ピピンが叫びました。
「よし、お前はこっちを頼む、僕は向こうのオークを誘惑してくる!!」メリーはやけに張り切って走っていきました。
その背中は、やけにセクスィーにピピンの瞳に映ったのでした。
そして最終的に二人が連れてきたのは、メリーは50人、ピピンが80人でした。
「よくやった!!これでかなりサルマンに近づいた!!」
次はフロドの番です。「頑張って下さいですだ!!旦那vv」
「うんvvお前の為に頑張るよvv」
フロドは可愛く小首を傾げて貴婦人の礼をし(←もちろんサムに向けて)優雅に歩いていきました。
「私は100人連れて来ると思うよ(^0^)」レゴラスは言いました。
「オラはもう少し多いと思いますだ(^0^)」サムはレゴラスの方を見ながら言いました。
そして……「ただいま サム〜〜vvv!!」
「あっ!!旦那っ!!」
フロドが帰って来ました。その後ろには膨大な数のオークが…
「わっザッと1000人はいそうだなあ(×0×)」ボロミアが奴隷化したオークを連れて言いました。
「うぇっ〜〜気持ち悪い!!」ピピンが1000人のオーク見て言いました。
「しかし、フロドでさえもサルマンのところに辿り着けなかった……よし、切り札スタンバイ!!」
「それって私のことですか?」
王とレゴラスのやりとりは、もはや漫才と化していました。
「まあイイでしょう。じゃあ、ちょっと行ってくるよ ギムリvv」
そう言ってエルフは軽やかに走っていきました。

そのノッポの女装エルフが出発してからもう一時間が経っていました。
「きっとサルマンのところまで辿り着いたんですだ(^0^)」サムはうれしそうに言いました。

その時。

「あっっ!!エルフの旦那ですだ!!(^0^)」サムが叫びました。
確かに、遠くの方に金髪がなびいています。しかもこの隣にはさらに長い白髪のストレートヘアが…
そう…。彼は誰もが成しえなかったサルマン誘惑計画を成功させたのでした。
そしてその後ろには約2000人のオークの大群が顔をvv(^∀^)vvにしてゾロゾロとついて来ていました。
「エルフの素晴らしさがオークのような下等生物に理解できるかどうか不安だったけど、
どうやら無駄な心配だったみたいだね。」レゴラスはフッと微笑みました。
「さっすがエルフの旦那ですだ〜!!」サムが目を輝かせているのを見たフロドは…
「コッコホン!!サム……。そんなにエルフ殿のオークの数が羨ましいのなら私から数人わけてあげるよ(^0^)怒」
フロドはわざと言いました。
フロドとサムがそんなやりとりをしていると、いきなりアラゴルンが叫びました。
「いかん!!本来の目的を忘れていた!!我々は何のために女装なんかしたんだ!?
ガンダルフを助ける為じゃないか!!」
「ガンダルフはどこにいるんだい?私の可愛いサルマン・・・」レゴラスが尋ねました。
「あああご主人様〜〜〜〜〜vv何でもお答えしますぅ〜〜〜〜〜〜」
メロッタサルマンは頬をア○パ○マンの様にしてレゴラスのドレスに接吻し
「ガンダルは一番奥の客室に閉じ込めてあります〜〜〜。ご案内しましょうvv」と、あっさり白状しました。
一同は(レゴラスを除いて)もう女装しなくてもいいのに、ドレスを着たまま客室に向かいました。
「あそこです。ご主人様〜〜〜vv」サルマンが言いました。
「ありがとう(^0^)助かったよサルマン!!君はここまででイイから違う部屋で休んでなよ。」
レゴラスは優しく語り掛けました。
そしてガンダルフを救出したのでした。

「大丈夫でしたか!?ガンダルフ!!」
「おおフロド(^0^)来てくれたか」
見るとガンダルフは、グレイの豪華なネグリジェを着て、天蓋付きのフカフカベッドに腰掛けていました。
「何やってるんですか、ガンダルフ!?」フロドは目を丸くして言いました。
「何……って、捕まっておるんじゃ。それよりお前たちこそ、何だその格好は?」
「こ、これは、あなたを助けるための作戦ですよ〜〜!!」
「嘘をつけ(怒)……わしのドレスもちゃんと用意してあるんじゃろうな…?」
ガンダルフは皆を伺い見るようにして言いました。
サムはそれに対し、速攻「もちろんですだ!!」と答え、袋から、またまたドレスを取り出しました。
そのドレスとは何と黄金色のピカピカドレスだったのです。
「さあ ぜひ着てみてくださいよ ガンダルフ!!」フロドが言いました。
「うむ、では早速…」ガンダルフはいそいそとその場で着替え始めました。
皆はそれとなく後ろを向いたり、目そらせました。
「うむ、我ながらなかなか…」
着替え終わったようなので、一同がふり返ってみると……
「ウギャアッ!!!!」ピピンはつい声にしてしまいました。
「そんなに似合っておるか?」ガンダルフはうれしそうでした。

それから一行はお遊びを止めて、また旅を進めました。
「さてガンダルフ、次は何処に行くんですか?」
「もう女装は嫌ですよ」メリピピが口々に言いました。
「うむ。そろそろあそこに向かいたいと思うておる……」
「えっ!?まさか、あそこに行くんですか!?」アラゴルンが大声で叫びました。
「そうじゃ、『なんか嫌〜〜な気分になる洞窟』へ行くんじゃ!!!」
ガンダルフがぶるっと震えながら言いました。
「どんなところなんですか?その洞窟は」フロドが不安そうに尋ねました。
するとアラゴルンはこう言いました。
「そうか……ホビットにはこの話が伝わっていないようだな…よし、俺が話しておいてやろう。
あの洞窟に入った者は、とてつもなく嫌ぁな気分になるらしい。
まして、数人で入ったなら、仲間割れも多々起こるそうだ……」
「そっそったら恐ろしいとこに行くですだか?(×0×)」サムは怯えながら言いました。
「いくら恐ろしくても、我々は行かねばならんのだ」ガンダルフが皆に言い聞かせるように言いました。
「……わかりましただ……でもその前に、おら、腹がグーグーいって仕方ないんですだが……」


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